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2007/12/06 木

J2回想録Vol.2 イカレ頭でゴリ押し成就

【みゃ長の独り言】

去年の出来事を思い出してコラムにする『J2回想録』のVol.2です。

ありゃ、第三クールのアウェー草津戦での出来事だったか・・・。
なんかこう、全部的にマッタリしちゃってる感じで、体には心地良いのだが、緊張のない危険な時期だったような・・・。
そんな気持ちが、成績にも現れる。
なにせスッキリ勝ちきれない状況だった。
そいつを吹き飛ばすには、やはりコレ、笑いしかない!
突拍子のない笑いしかないのが俺達なのだ。
そんなことを考えてたら、メンバーのトシ(仮名)が汚いママチャリで俺の目の前に登場した。
トシは、群馬に住む数少ないメンバーである。
草津の敷島公園陸上競技場までは、自宅からチャリで10分なのだ。
俺は、汚いチャリを見つめると同時に、ゲートの隙間からみえるスタンドもみていた。
敷島は、ゴール裏が見事な芝生席なのだが、なんと立ち入り禁止。
アウェーのサポーターは、バックスタンドの端で応援する構造になっているのだ。
その立ち入り禁止の芝生が青々と生い茂り、ゆるい傾斜と伴にカーブを描いており、まさに競輪のバンク状態。
しかも芝生なので、転んでも痛くない。
俺は吾朗ちゃん(仮名)に言った。
「今日、スタンドまでチャリでいっていい?」
普通のリーダーなら、間違いなく答えは「ノー」であろう。
でも吾朗ちゃんは、普通のリーダーではない。
その生立ちから10代の青春時代までも普通じゃないから・・・、必然的に答えは「イエス」だった。
開門時間になり、一斉に段幕をもった若い衆が走る。
その最後尾に、ママチャリにまたがった俺がチリンチリンとベルを鳴らしながら続く。
いくらJ2だからといっても、当然、そんなにうまくいくわけない。
ゲートをくぐって5メートル付近で、さっそく警備員三人に囲まれて止められた。
「すいません、これなんですか?」
と聞かれた俺は臆することなく
「スーパーハリケーン2号だよ」とこたえた。
「いいえ そうでなくコレをどうするんですか?」と警備員。
「アンタだからいうけど、こいつマッハ2で走ることできんだ」
と笑顔でこたえる俺。
警備員の顔には、(ナニいってんの馬鹿)という文字がクッキリと浮かび上がっていた。
そして、警備員は、鼻から大きく息を吐き
「性能でなく、コレを持ち込む理由です!」
そりゃそうだ、理由は大事である。
俺は、きちんと理由を述べた。
「平和を守る為しかないだろう!」と。
もう一人の警備員が「だからコレなんですか?」とやる気なさそうに、またしても質問してきた。
俺はイヤな顔ひとつせず。
「スーパーハリケーン2号。マッハ2で走ります。悪の組織、ジャッカル団からスタジアムを守るため」とこたえた。
あきれ顔の警備員三人は、無線で本部と連絡をとりはじめた。
10分後、これ以上こいつと関わってもだめだと本部は判断したのかは定かではないが、なんとオッケーがでた。
満願成就達成!どこでどうなったのか、俺にもわからない。
うそのようだが本当の話です。

俺とマシンは、喜びのあまり、立ち入り禁止となっている芝のバンクをマッハ2で走った!
ゴール裏に配置されていた、定年退職しても年金だけじゃ足りないのでスタジアムで警備のバイトしてます風の2人の老警備員が、俺の走りをみて聞いてきた。
「なんで、こんなとこで、自転車のってんだっぺ?」
マッハ2で走るハリケーン2号に話しかけるとは、この老人、タダ者ではないとみた俺は、
「いやー、競輪場と間違えちゃって」と答えた。
「グリーンドームは、もっと西だっぺよ。おい、あのアンちゃん、競輪場と間違えたんだってよ」と相棒の老警備員にいうと
「ばっかだなやな、おちょこちょいっていうんだべや」と、背中越しに俺は言われていた。
これも、うそのようだが本当の話です。

さて、無事チャリでスタンドまで乗り込み、座席まで持ち込んだまでは良かったのだが、いざスタンド内では、なんとも使い道のない、ただ邪魔なだけであったことは言うまでもない。